Bリーグの熱狂は、なぜ生まれたか? —「想い」を実装するデザインの力—
熱狂の裏側にある「設計図」
近年のBリーグの躍進は、目を見張るものがあります。2023-24シーズンの総入場者数は452万人(前年比140%)、事業規模は588億円を突破。日本代表の活躍という追い風はありましたが、その熱狂を一過性のブームで終わらせず、135万人もの新規顧客をスタジアムに呼び込み、定着させています。
出典: Bリーグ過去最高の営業収入&入場者数…3クラブが売上高30億円突破、債務超過クラブはゼロ
多くのメディアは、この成功を「バスケブーム」という言葉で片付けます。しかし、私たちは、その熱狂の裏側には、極めて緻密に描かれた 「設計図」 が存在すると考えています。
それは、Bリーグが設立当初から抱き続けてきた 「バスケットボールを通じて、人々の心をたぎらせたい」 という、どこまでもアナログで、純粋な 「想い」 。 そして、その想いを、現代の顧客の心に届けるために、徹底的にこだわり抜いた 「デジタル体験のデザイン」 です。
これはまさに、私たちDisilogが掲げる 「Analog to Digital RE DESIGN」 を、日本最高レベルで実践した、壮大なケーススタディなのです。
The “Analog”:すべては「ココロ、たぎる。」のために
Bリーグの成功の原点は、創設時に掲げられた「世界に通用する選手やチームの輩出」「エンターテイメント性の追求」「夢のアリーナの実現」という、明確で情熱的なビジョンにあります。
彼らは、単なるスポーツ興行を目指しませんでした。目指したのは、試合の勝ち負けを超え、アリーナを訪れるすべての人の 「ココロ、たぎる。」 最高の時間を創り出すこと。これは、数値化できない、極めてアナログな「想い」です。
「最高の顧客体験を創る」という、この譲れない想いこそが、全ての戦略の出発点となりました。
The “Digital RE DESIGN”:「想い」を体験へと翻訳する
そのアナログな想いを、Bリーグはどうやってデジタルの力で「体験」へと翻訳したのでしょうか。 現チェアマンの島田氏は、その戦略を 「スマホファースト」「デジタルファースト」 という言葉で明確に語っています。
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デジタルインフラへの先行投資: W杯で巻き起こるであろう熱狂を見越して、Bリーグは事前にサーバーを増強し、YouTubeコンテンツを大量に投下していました。 これは、ファンの「知りたい」というアナログな感情が爆発する瞬間を予測し、その受け皿となる デジタルの器 を完璧に用意していたことを意味します。熱狂は、ただ待つのではなく、迎え撃つものなのです。
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一貫したデジタル体験: チケットの購入から、会場での案内、試合中の解説に至るまで、初めて観戦する人でもスマートフォン一つで迷うことなく楽しめるよう、デジタルとリアルの体験がシームレスに繋がるよう設計されています。 これにより、「行ってみようかな」という小さな好奇心が、「来てよかった!」という確かな満足へと、淀みなく変換されるのです。
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データによる「おもてなし」: リーグ全体でチケットシステムや顧客データを一元管理し、個々のファンに寄り添った情報提供を可能にしています。 これは、かつて商店主が顧客一人ひとりの顔を覚えていた、あのアナログな関係性を、デジタルの力で再現しようとする試みと言えるでしょう。
数字は、熱量の総和である
この緻密な「翻訳」作業の結果が、冒頭の驚異的な数字です。
前年比140%の観客動員数。588億円の事業規模。135万人の新規顧客。 これらは、単なるビジネスの成功指標ではありません。それは、Bリーグの「ココロ、たぎらせたい」という 想いが、デジタルの力で見事に翻訳され、顧客の心に届いた熱量の「総和」 なのです。
あなたの「想い」は、熱狂を生んでいますか?
Bリーグの物語は、私たちに教えてくれます。 本質的で、純粋な「想い」を核に置き、それを届けるためのデジタル戦略を徹底的にデザインすれば、ビジネスは、熱狂的なムーブメントになり得るのだ、と。
あなたの会社にも、Bリーグのような熱い「想い」が眠っていませんか? 私たちは、その想いを、ビジネスを熱狂させるためのデザインへと翻訳します。